
「乳製品って体に良いの?悪いの?
牛乳は飲んだ方が良い?チーズは?
そんな疑問を持っている人も多いでしょう。
実は、乳製品の種類によって、がん死亡リスクへの影響が違うことが分かってきています。
本記事では、
- どの乳製品が、どのがんのリスクを高めたり、低めたりするのか
- 乳製品の摂取量とがん死亡リスクの関係
- 日常生活で乳製品とどう付き合えば良いのか
などを、研究結果に基づいて具体的に解説していきます。

この記事を読めば、乳製品とがんの関係について理解できて、自分に合った乳製品の選び方・摂り方ができるようになるはずやで。
タップできる目次
乳製品とがん死亡リスクについて

まずは簡単にこの研究が行われた背景や目的についてお伝えしていきます。
1年にがんで1,000万人がなくなる
がんは世界的に主要な死因の一つであり、2020年には約1,000万人ががんで亡くなっています。
乳製品は、世界中の多くの食事ガイドラインで推奨されています。
しかし、乳製品には様々な種類の成分が含まれており、発がん性に良い影響を与えるものと悪い影響を与えるものがあります。
これまでの研究では乳製品の摂取とがん死亡率の関連性は明らかになっていませんでした。
乳製品の摂取とがんの関連性を明らかにする
そこで、今回の研究は乳製品の摂取と以下との関連性を明らかにすることを目的として、行われました。
- 総がん死亡リスク
- 特定のがん(部位別)死亡リスク
研究では、様々な種類の乳製品(牛乳、発酵乳、チーズ、バター)と、それぞれのがん死亡リスクとの関連が個別に調査されています。

乳製品全体じゃなくて、種類ごとに細かく調べているんですね。
そうやで!
牛乳が良いのか、ヨーグルトが良いのか、チーズはどうなのか、それぞれを詳しく調べないと、ほんまのところは分からんからな。

【研究方法】これまでの研究データを徹底調査

この研究では、新たに実験するのではなく、過去に発表された多数の研究論文(2021年3月までに発表された英語の論文)を調査しました。
この手法をメタ分析と言い、複数の研究結果をまとめて結論を出すため、単体の研究結果よりも信頼性が高いとされます。

1個の研究結果だけやと、"たまたま"その結果が出た可能性は拭いきれんからな。
だから、たくさんの結果を集めて、そこからある傾向が見られれば、その信憑性が高まるということやな。
研究では、PubMedとWeb of Scienceという二つの主要なデータベースを用いて、関連する論文を検索。
そして、以下の基準を満たす研究を分析対象としました。

リスク比ってなんですか?
リスク比(RR)は、乳製品をたくさん摂取したグループと、あまり摂取しなかったグループを比べて、がんで死亡するリスクが何倍になるかを示す数値や。
1.0より大きければリスクが高く、1.0より小さければリスクが低いことを意味するで。
95%信頼区間(CI)は、そのリスク比の推定値がどれくらい正確かを示す範囲のことやな。

プロスペクティブ・コホート研究とは、特定の集団を長期間追跡し、生活習慣などの要因と病気の発生との関係を調べる研究のことを指します。
【研究結果】乳製品の摂取でがんリスクが上がる!?


ほな、研究結果について見ていこか。
この研究では34件の研究が対象となり、合計3,171,186人、88,545人の死亡のデータが分析されました。
その結果、乳製品の摂取とがん死亡リスクには、以下のような関連性があることがわかりました。
グラフにするとこんな感じです↓


同じ乳製品でも種類によってその影響は大きく違うんですね!
そうみたいやな!
かなり興味深い結果になったな。

では、以下で牛乳、ヨーグルト、チーズなどの摂取量との関係について個別に詳しく見ていきましょう。
牛乳の種類と摂取量による違い
牛乳については、種類と摂取量によって、がん死亡リスクへの影響が異なることが分かりました。
具体的には以下の通りです。

牛乳の種類によって影響が違うのは驚きですね!
せやねん。
乳脂肪分の違いが、がんリスクに影響を与えている可能性がありそうやな。

発酵乳の摂取量と女性のがん死亡リスク
発酵乳(ヨーグルトなど)については、女性において、摂取量が多いほどがん死亡リスクが低いことが分かりました。
具体的には、1日200gの発酵乳を摂取すると、総がん死亡リスクが10%低下することが示されています。
男性では、発酵乳の摂取量とがん死亡リスクとの間に、明確な関連は見られませんでした。

ヨーグルトは体に良いって言うけど、がん予防にも効果があるんですね!
乳酸菌などの善玉菌が、腸内環境を整えて免疫力を高めることで、がん予防に繋がっている可能性があるんやで。

チーズの摂取量と大腸がん死亡リスク
チーズについては、摂取量が多いと大腸がん死亡リスクが高くなることが分かりました。
具体的には、チーズの摂取量が多いと、大腸がん死亡リスクが22%上昇するとの結果が出ています。

摂取量が多いってどれくらいですか?
複数の研究をまとめてるから一概には言えんのやけど、1日あたり70gを超えるチーズの摂取は「多い」と見なせると思われる。


なるほど。
チーズ好きな人はちょっと気をつけた方が良いかもですね。
チーズは種類によって脂肪分や塩分が多いものもあるから、食べ過ぎには注意が必要やな。
それにしても、わしチーズ好きやからショックやわ...

研究結果に対する考察とまとめ
この研究から、以下のことが示唆されます。
これらの結果は、乳製品の種類や性別によって、がん死亡リスクへの影響が異なることを示しています。

乳製品の種類やそれを摂取する性別によって、色々影響が違っていたのは非常に興味深いな!
日常生活に取り入れるためのヒント

この研究結果を踏まえて、日常生活で乳製品とどのように付き合えば良いのか、これから取り入れていくべきポイントをお伝えしていきます。

あくまで目安やけど参考にしてみてな!
今日からできる賢い乳製品との付き合い方
- 牛乳の種類と量に注意する
- 牛乳を飲む場合は、低脂肪乳を選ぶ
- 高脂肪乳は、摂取量を控える
- 特に女性は、牛乳の摂取量に注意する
- 発酵乳を積極的に摂る
- ヨーグルトなどの発酵乳を、毎日の食事に取り入れる
- 特に女性は、積極的に発酵乳を摂る
- チーズの摂取量に注意する
- チーズは、種類や量に注意して摂取する
- 特に大腸がんのリスクが高い人は、摂取量を控える
- バランスの取れた食事を心がける
- 乳製品だけでなく、野菜、果物、魚、肉など、様々な食品をバランス良く摂る
- 特定の食品に偏らず、多様な食品から栄養を摂取する

積極的に摂りたいものと避けるべきものは覚えておいた方がよさそうですね。
せやな。
乳製品は、カルシウムなどの栄養素も豊富やから、上手に取り入れて、健康的な食生活を送ることが大切やで。

まとめ:乳製品でがんのリスクが上がる場合もあるので注意
今回の研究結果をまとめると、以下のようになります。
これらの結果は、乳製品の種類によって、がん死亡リスクへの影響が異なることを示しています。
乳製品は、カルシウムなどの栄養素も豊富ですが、種類や量に注意して摂取することが大切です。

乳製品との付き合い方を見直して、健康的な食生活を送ろう!